2014年06月23日

新潟市の中心を流れる信濃川の景観

 信濃川は新潟市の中心を流れる一級河川である。信濃川は長野県にさかのぼると千曲川と名称が変わる。全長367キロメートルあるうちの153キロメートルが信濃川であるが、信濃川は千曲川を含めた信濃川の本流すべてを取り扱うため、日本で一番長い川となっている。新潟県と長野県で流域をほとんど占めるが、群馬県にも流れているため流域は3県である。新潟市に流れる信濃川は水系名は「信濃川」だが河川名は「信濃川下流」と分類される。信濃川は日本海から流れてきた水を新潟みなとトンネル、柳都大橋、萬代橋、八千代橋、昭和大橋と流れていく。五反田橋付近まで新潟市内15の橋を信濃川は通る。年間を通じての水量は日本の河川の中で518毎秒立方メートルと豊富である。

信濃川
信濃川

 やすらぎ堤は信濃川と密接な関係にあり、水の氾濫を防いでくれる堤防である。植栽や東屋・ベンチなどを盛り込んだ親水空間としても役割を果たしている。新潟市はもともと河川や海の高さよりも土地が低い場所が多くあり、洪水や津波に対して弱い地域であった。1964年に発生した新潟地震では津波が起こり、信濃川の河口付近から新潟島全体の10平方キロメートルにわたって浸水被害を及ぼした。1983年に県と市は、信濃川下流域に防災機能の確保と人々にやすらぎの場を提供するということで、堤防計画を実地した。新潟みなとトンネルから本川大橋までの新潟市中央区一体にかけて整備され、親水型堤防という名で人々に親しまれている。幅約4メートルほどのサイクリングロードが信濃川の道なりに続き、花壇にはチューリップが植えられている。用途は散歩、ジョギング、サイクリングと多様だ。トイレや休憩所も配備されているため、人々の憩いの場ともなっている。桜並木やしだれ柳が四季を表現している。

やすらぎ堤
やすらぎ堤

 新潟市民芸術文化会館は新潟市中央区の信濃川すぐ近くにあるホール施設である。「りゅーとぴあ」と人々に呼ばれている。1998年10月に開館した。りゅーとぴあ建設により、新潟市は大規模な文化活動を行うことができるようになった。施設の中にはコンサートホール、劇場、能楽堂が設置してある。講演会も頻繁に行われている。客席はすべて合わせて3100席ある。屋外は信濃川の水とやすらぎ堤の緑地をモチーフにした庭園と遊歩道になっており、「水の都」と呼ばれる新潟市をイメージした作りとなっている。

りゅーとぴあ
りゅーとぴあ

 信濃川を間近で体験する方法の一つに水上バスに乗るという手段がある。信濃川ウォーターシャトルという会社では、みなとぴあから萬代橋西詰、朱鷺メッセ、万代シティ、新潟県庁前を通り、ふるさと村に到着する水上観光を行っている。水上「バス」と呼ばれる理由には安さ(1回1100円で、一日フリー乗車券は1800円)がある。12才以下の子供は半額である上に、自転車に乗った人も積載量(200円)を払えば乗ることができる。船内にはおよそ60名、デッキと合わせれば100名ほどが乗れる。晴れた日に日差しを受けてキラキラ光る水面を船上から望む眺めは、普段陸上から眺める景色とは違った趣がある。重要文化財である萬代橋の下をくぐる体験は貴重なものとなる。

水上バス
水上バス

 信濃川は新潟市の象徴であり、伝統がある。長くに渡り世代を超えて人々に愛され続け、新潟市に欠かせない存在だ。やすらぎ堤は堤防でありながらも憩いの場として人々に親しまれている。新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)は信濃川の水を生かしたホール施設である。水上バスは信濃川を満喫できる船である。これらは新潟市の中心を流れる信濃川の景観を崩さずに流れる川水と共存している。信濃川はこれからも新潟市の人々を見守り続けるだろう。






地図はこちら

1975年の新潟県新潟市

1975年の新潟県新潟市

2009年の新潟県新潟市

2009年の新潟県新潟市

国土地理院の空中写真を使った



都市計画マスタープラン

都市計画マスタープラン

都市計画総括図

都市計画総括図

新潟市のサイトから引用した




Posted by 高田としお at 13:15│Comments(0)自然
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。